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材料製造業者における社内リサイクルの取り組み

製造工程で発生する「製品にならない材料」

材料を製造している多くの製造業者では、製造工程の中でどうしても製品として出荷できない材料が発生します。寸法が合わないもの、物性が安定しなかったもの、成形条件が整う前に生じたものなど、いわゆる「不良品」と呼ばれる材料です。
これらをそのまま廃棄するのではなく、再び原料として利用し、新しい製品へと作り直す取り組みが行われています。このような循環の仕組みを「社内リサイクル」と呼びます。


社内リサイクルがもたらす主なメリット

原料歩留まりの向上と生産・原価効率の改善

社内リサイクルには、いくつかの大きなメリットがあります。
ひとつは、原料の歩留まりを向上させることで、生産効率や原価効率を高めることができる点です。限りある原料をできるだけ無駄なく活用することは、製造コストの抑制にも直結します。

焼却処分の削減による環境負荷の低減

もうひとつは、使用できない材料を焼却処分せずに済むことです。焼却を減らすことは、二酸化炭素などの温室効果ガスの発生抑制につながり、環境負荷の低減という観点からも重要な意味を持ちます。


製造業において避けられない材料ロスという課題

材料を生産する以上、製品として出荷できない部分が一定量発生することは避けられません。製造業において、そのロスをいかに減らすかという課題は、今も昔も変わらず大きなテーマとなっています。
理想を言えば、100の原料から100の製品を生み出すことですが、現実はそう簡単ではありません。特に樹脂材料は、温度管理が非常に難しく、生産開始時には安定した条件を作り出せないことが多いため、その初期段階で発生する材料は製品として使用できないケースが少なくありません。


技術進化と発泡材料に残る難しさ

近年では、ヒーター制御技術や流動解析などの進化・開発が進み、以前と比べると生産効率は格段に向上していると感じられます。しかし、発泡体のような材料は、発泡していない材料と比べると、どうしても製品化できない部分が多くなりがちです。構造上、品質を均一に保つことが難しいという特性があるためです。


リペレット化による再生原料の活用

こうして製品化できずに発生した材料は、再度溶かして「リペレット(再生原料)」として加工され、新しい原料と混ぜ合わせたうえで、再び製品の原料として使用されることが一般的です。多くの材料メーカーでは、この方法によって社内で原料を循環させているのではないでしょうか。
再生原料だけを使って製品を作ることも理論上は可能ですが、実際には再生原料で作られた製品は、物性がやや脆くなる傾向があります。樹脂は何度も熱を加えられることで分子構造が変化し、強度や耐久性が低下してしまうためです。そのため、製品として必要な性能を確保できるよう、配合比率を慎重に検証しながら再利用が行われています。


再原料化できない材料とサーマルリサイクル

一方で、残念ながら再原料化できない材料も存在します。その代表的なものが「熱硬化性樹脂」です。熱硬化性樹脂は、一度化学反応を起こして硬化すると、再び熱を加えても溶けることはなく、さらに別の化学反応を起こしてしまいます。そのため、熱可塑性樹脂のようにリペレット化することができません。
このような材料については、サーマルリサイクルとして焼却し、発生した熱エネルギーをボイラーや発電設備に利用することで、社内のエネルギーとして活用されるケースが多く見られます。


社内リサイクルのデメリットと現場の努力

社内リサイクルは、環境面・コスト面の双方において多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。それは、再原料化するための手間や工程が新たに発生するという点です。分別、粉砕、再溶融、品質管理など、追加の作業が必要となり、その分コストもかかります。
それでも多くの製造業者は、販売価格に大きな影響が出ないよう、日々工夫と努力を重ねながら社内リサイクルに取り組んでいます。私たちが製品を手に取るとき、その背景にあるこうした見えない努力にも目を向けておくことが大切なのかもしれません。

社内リサイクルは、決して目立つ取り組みではありませんが、材料を無駄にせず、品質と環境の両立を目指す製造現場の積み重ねです。共ショウecoネットでは、こうした一つひとつの取り組みに目を向け、素材と真摯に向き合うものづくりをこれからも伝えていきます。

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